2017年のGreat Divide Trail一発目の縦走では、あまりコースタイムなどは気にせずに水平距離だけを見て予定を立てたのでアップダウンの多い日には思っていたより苦労する羽目になってしまいました(汗)。当たり前ですが、ちゃんと標高差なども考慮して計画を立てないとだめですね。
一般的なコースタイムの計算方法としては、次のようなものがよく知られています。
・水平距離 1 km毎に 15分
・登り 標高 100 m毎に 10分
・下り 標高 100 m毎に5分
例えば、標高差 1000 m、水平距離10 kmの山を往復した場合、
水平距離(10 km × 2 × 15分)+ 登り(1000 m /100 m × 10分)+ 下り(1000 m /100 m × 10分)= 450分 = 7時間30分
という感じです。
今回、実際に6日間テント装備を背負って歩いた実際のデータが採れたので、この方法でコースタイムを計算してみるとちょっと差が大きい感じで、私は標準的なコースタイム計算よりも平均すると20%程度早く歩いているようです。
これではあまり参考にならないので、自分に合ったコースタイム計算方法を見つけるために実際のデータから近似式を作ってみることにしました。果たして理系マイニングエンジニア(モグリ)の面目躍如となるでしょうか。
下の表が実際に歩いた、距離、登り標高、下り標高、行動時間、移動時間の記録。
テント装備を置いて歩いたDay2-2の記録を除いたデータをもとに、エクセルのデータ分析ツールを使って重回帰分析を行い、移動時間と距離、登り、下りの近似式を求めたところ、
結果、
予想移動時間(hour) = 0.138×総距離(km) + 0.00317×登り(m) + 0.00152×下り(m) -0.748
という近似式を得ることができました。式を読み解くと、
水平距離 1 km 毎にに 0.138時間 (8.3分/km)
登り標高 1 m 毎に 0.00317時間 (19.0分/登り100m)
登り標高 1 m 毎に 0.00152時間 (9.1分/下り100m)
最後に1日あたり0.748時間を差し引く(マイナス44.9分/日)
という感じです。この式を使って予想移動時間を逆計算してみると。
なんということでしょう!最大±14分程度の誤差で予想移動時間を求めることができました。しかも内4日は数分の誤差。これに、+25%~30%の休憩時間を加えればその日の行動時間を予想することができます。
ということで、次回以降の計算ではこの移動時間予想式を使って、計画を立てることにします。
なお、この計算式は40代の登山経験のあるおっさんが、15-18kgの荷物を背負って、かなり頑張って歩いた場合の式になるので、他の人に当てはまるかは保障できません。もし式を使う場合はそれを考慮してコースタイムを増減してください。あと、このコースタイムは休憩時間を含んでいません。今回のデータを見ると、移動時間 × 25%~30% くらいの時間は休憩しているようなので、これも加えないとですね。
以上、ちょっと理系らしいデータ分析でした。